毎日毎日ただ淡々と同じことを繰り返すだけ。
時計の針が規則正しく動くように、太陽が東から西に進むように、決まったルートをたどっていく。あらかじめ引かれた線をなぞっていくような、退屈で面白みのない、息苦しい生活。無彩色の世界に紛れ込んでしまったような感覚。
でも、君が景色を、僕を、変えてくれた。灰色だった世界は、硝子が透き通るような輝きを放った。無色だけど、濁りはなく、どこまでも澄み渡っていく。向こう側の景色が見える。光が見える。例えこの世界に色が存在しなくても、ちゃんと美しいのだと、そう思えた。
お題【無色の世界】
4/18/2024, 3:49:55 PM