お題「狭い部屋」
日光を浴びたのは何ヶ月前だろうか。もうカーテンもしばらく開けていない。
薄暗く少しジメッとしたこの狭い四畳半の部屋で、ただ毎日虚無を謳う。
誰かと顔を合わせることすらできなくなって、僕の感情は筆以外に預けどころがなくなった。
長年のヤニで少し黄ばんだキャンパスを隠すように、絵の具を置いた。
山積みに積まれたキャンパスが四畳半の1畳分を埋めていた。
誰に見れることもない、誰の前に出ることもない、僕と作品はきっと一生この部屋に籠もり続けるのだろう。
息絶えるまで、ずっと。
6/4/2024, 11:49:11 AM