そいや!そいや!そいや!そいやーーー!
そいや!そいや!そいや!そいやーーーー!
と言いながら無言で去っていった隣の人は、翌日のワイドショーに出ていた。
この辺りの地域で1番お金持ちらしいその人は、満面の笑みで画面いっぱいに映り込んでいた。
歯の隙間から時折コオロギをのぞかせては、そのコオロギの触覚を下でコロコロ回していた。
あれよあれよと、その番組は終わりに向かった。
時刻は午後3時。
君からの電話をとったのを最後に、部屋には「パンプキンポム」というブルドッグの顔をした猫が体中から負のオーラを漂わせて横たわっていた。
体調が悪いのではない。
とにかく負のオーラをまとっているのだ。
僕はその眼をみた瞬間にわかった。
全てがわかった。
そう。それこそが金色の正体なのだ。
その「パンプキンポム」は全く動かず、そして時折みせるアゴをしゃくる動作だけが目障りだった。
4/13/2023, 11:21:25 AM