互いに見つめあうよりも、同じものを見つめた方がいいい。
そう言ったのは誰だったか。
それは魂が近い者だからこそ起こり得る事なのだろう。そこには関係性の名前も、性差もあまり意味が無い。例えば戦友、例えば夫婦。どんな関係であっても同じものを見つめて、同じものを感じることが出来るのならそこにあるのは建設的で、健康的で、前向きで、明るい、輝かしい、いわゆる善なるものだ。
でも、人間はそういう風に出来てない。
自分だけを見て欲しくて、自分だけが幸福になりたくて、自分だけを特別にして欲しい。
そうやって、弱い自分をなんとか支えて生きている。
同じものを見つめることも、互いを見つめあうことも出来ない私達は、すれ違う一瞬で勘違いして生きている。
END
「すれ違う瞳」
5/5/2025, 7:14:02 AM