子供の頃は、何か悪いことをしたら
ごめんなさい。
もうしません。
こんな言葉を幾度となく親から言うように求められたものだった。絶対に思っていなくとも。
大人になった今、謝りなさいと言われる場面は
余程の大失態がない限り無いだろう。
ふと、今までの元カレが頭に浮かんだ。
夜明けの夢で、かつて付き合っていた健吾が出てきたからかもしれない。健吾は会えばいつも笑っていて、暑苦しいほどに愛してくれていた気がする。私の気持ちと釣り合いが取れなくてアンバランスな関係に嫌気が差してお別れしたのだった。
その後、不埒な康史という男に出会って、追いかける喜びを知った。健吾が私を追いかけたように、私は康史を追いかけた。康史に対して色んな感情を見つけ出す度に、私はどこかで健吾に共鳴していたような気がする。
康史の度重なる浮気によって、結局別れてしまった。
どちらも半年と持たなかった。
康史に対しては、こちらも半分期待しないで付き合った訳でこうなることはどこかで予感していた。
あの日から半年経った。
1人でカフェに行って、
デートで訪れているカップルに対しても
なんの感情も抱かなくなった。
ただ、あの時こうしたらよかったな
ということだけがジワリと心に染み入ってくる。
自分が悪いわけではない。
だけど
ごめんなさい
自然に出てくる言葉はこれしかなかった。
次に出会う人には
こんな謝り方、したくない。
6/24/2024, 5:09:51 AM