風鈴の音
わたしはあまり好みません。
流行りにあやかろうとする方々を
小馬鹿にしている訳でも
ガラス職人を貶したいわけでも
なんでもないのです。
言い方が悪いのでしょうか。
好む好まない気持ち以前に
蝉の声を好む話をしたいだけなのです。
反対にみなさま蝉の声はお嫌いでしょう。
わたしは蝉の声は好きでして
聞いているときは
どれだけ聞こえないふりをしても
逃がさないと言わんばかりに聞こえますでしょう。
あれにうんざりする方が大半だと
きっとそうだと思います。
しかし蝉のいない暑さというものは
なんとも違和感のあるものでして。
わたしたちをしめ殺すかのような湿気と
太陽の照りだけというのは
心寂しいと言いますか。
夏というにはまだ欠けている気がします。
風鈴の音も蝉の声も
夏の風物詩ではないかという
意見もご最もでございます。
しかしわたしは思うのですよ。
わたしだけかと思いますが。
ストーブやら暖房やら
そのような機械的なものではなく
風物というものの中で
夏が去って冬が来る季節。
暖かさを求めるときに欲しがるのは
風鈴の音ではなく蝉の声だと。
7/12/2025, 12:02:35 PM