big love(後編)
ある日、寝るために自分の部屋に向かうと私のベッドの上にギンタが寝転がっていた。
私は嬉しく思いながら眠る直前までギンタを撫で続けた。
しかし、次の日からギンタは私のベッドから動けなくなっていた。
もう立ち上がる力もなく、常に寝転がったままだった。
私はベッドの上にペット用のトイレシートを敷いて、エサは口まで運ぶようになった。
私は出来るだけギンタの横に居たいと思い、学校を休んでギンタの傍に着いて介護するようになった。
口元にエサを運んでも食べない物は多かったが、たまにエサを舐めてくれることもあって、その時は凄く嬉しく感じた。
そうして数日後の朝、目を覚ますとギンタは隣でいつもより身体をグッタリとさせながら吐いていた。
私は直感的に死ぬ間際だと感じ取った。
家族に急いで連絡して、出来るだけ吐瀉物が喉で詰まらないように支えながら撫で続けた。
着ていた服や布団は汚れたが、そんなことはどうでも良かった。
吐くのは治まってもギンタの呼吸は段々と小さくなっていく。
そんなギンタを家族皆んなで名前を呼びながら優しく撫でた。
吐いていた時間こそ苦しそうだったものの、家族皆んなに撫でられている時間はとても安らかな顔になっていた。
そうして数分後、ギンタはピクリとも動かなくなり、皆んなに囲まれながら虹の橋を渡っていった。
〜あとがき〜
1日にまとめたかったのですが長くなり過ぎて2日掛けてしまいました。申し訳ないです、そしてここまで読んで下さり有難うございます。
お察しの通りこれは自分の実体験を元にしたお話しです。
テーマが「big love」と出題されて浮かんだのがこのお話しでした。
あとがきで長くなりそうなので一言でシメますね。
貴方と貴方の周りで愛が広がりますように
4/24/2025, 6:02:12 AM