『遠い約束』
いつか君が死ぬ時は僕が看取ってやろうという約束、
結んだことを君は覚えていないのだろうね。
まだ生まれたばかりの君と結んだ、大切な大切な約束。
決して君を独りでは逝かせないという約束。
僕たちは皆、人間とそのような約束を結ぶのだけれど、
人間はそのことを覚えていないものだから、
死神だなんだと言って恐れるのだ。
死とは僕たちが運ぶものではなく、
初めから君たちが持っているものだというのに。
遠い約束を果たしに行こう。
どうしようもない君を看取りに行こう。
君がどんなに立派でも間抜けでも、
僕たちは等しく君たちの元へ訪れる。
約束は守るよ。
だから安心して、良い夢を。
4/8/2025, 11:49:13 AM