特に理由は無いけど、否。
ありすぎて何が理由か分からないんだけど。
そんなんだから、毎日を生きるのが苦痛で。
眠りにつく度に、二度と目が覚めなければと願う。
朝日を睨み付けては、退屈な日々を繰り返す。
何度死んでやろうかと思ったことか。
何の変哲もない日、突然君が僕の日常に現れた。
転校生。漫画でしか聞いた事のない話だ。
クラスメイトなんて沢山いるのに、
わざわざ僕に話しかけてくるんだ。
やめて欲しかった。
僕は人と関わるのが苦手だし、
君みたいに押しが強い人は嫌いなんだ。
でも、いくら突っぱねたって懲りなかった。
怖かった。思わず体が震えてしまった。
心を開いてしまいそうで、怖かった。
いつ死んでもいいと、
今すぐ死んでしまいたいと思っていたのに。
君と親しくなってしまったら、
死を恐れてしまいそうで、すごく怖かった。
クラスメイトに物を取られ、
先生からはわかりやすい無視。
毎日飽きもせず良くやってくれるけれど、
一日が終わる前に必ず君が僕の前に現れる。
「また明日」
君が笑ってそう言うから、僕は明日を生きてしまう。
夜が更けるのを眺め、朝日が昇るのを待ってしまう。
これは呪いだ。暖かくて、残酷なほどに優しい呪い。
君の優しさに、今日の僕は救われる。
明日の僕は、また苦しむのだろうか。
5/22/2024, 2:25:04 PM