まそむ

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実家には掘り炬燵があった。小さなわたしには格好の遊び場で、炬燵をつけていない時にも潜っては秘密基地のつもりでひとり遊んでいた。友達はいなかった。人付き合いを禁じられていたから。

冬が来ると、畳の一部を開けて、そこに掘り炬燵を組む。そばにはヒーターと、箱で貰ったみかんがぎっしり。

本を読んだり勉強したり、炬燵でぬくぬくしながら過ごした思い出だ。

なお、酔った父に本気フォームでみかんを顔めがけて投げつけられて、みかんがわたしの顔で破裂し、わたしは痛くて、みかんの汁が目に入ってしみて、わんわん泣いたことも覚えている。
父はふざけたつもりだったと思う。何も怒られる理由がわたしになかったと記憶している。

【冬の足音】

12/3/2025, 11:47:30 AM