―私の名前―
ほんとは、ただの文字の羅列でしかなくて
それ自体に意味なんてものは特になくて
人を判別するもので、その人がその人であると
証明するためだけのもの
なくなれば、私は私じゃなくなる
どんなに長いときを過ごそうと
世界がどんなに変わろうと
これだけは変わらなくて狂うこともなくて
命が産まれたそのときに、
親から初めて与えられる、愛の籠もったプレゼント
世界にたったひとつだけの愛
それは人間として産まれた特権
自分の歩みたい道を切り開いて
自分だけの名前を描いた道しるべを掲げて
好きなように過ごして好きなように進んで
時の輝きの集まりを胸を張って謳歌しよう
僕らは奇跡の集合体だ
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―私の名前― ver.2
父親に怒りと軽蔑の感情を持つようになったとき、
あんな人の血が自分の中に流れていると思うと
怖くて、同じ姓を持つことに嫌気が差した
両親が離婚して、私が母と共に母方の姓を
名乗ることになったとき、あの人から離れて
尊敬する母と二人で暮らせることが清々しかった
母とも離れ、私を愛してくれる人と結婚したとき、
愛する人の姓を名乗れるようになることが
信じられないくらいに嬉しかった
そして私と愛する人との間に芽生えた命が無事に
産まれたとき、二人で考えた名前をその子につけて
あげられることが堪らなく嬉しくて思わず涙した
7/21/2023, 1:45:09 AM