[快晴]
「明日晴れるって!」
スマホの天気予報を見て、彼女は嬉しそうに振り向いた。
ご丁寧にスマホを印籠のように掲げて、見せつけてくる。
そこには笑顔で輝く太陽の絵と、降水確率0%の文字がある。
「そうだねえ。晴れだね」
「なんでそんな棒読みなのさ! せっかくなんだから喜ぼうよ」
「いやだって。君、雨女だし」
絶対雨に降られるという事実を指摘すると、彼女は「そうだけどー」と頬を膨らました。
「大体さ」
私は明日行く場所の特集が組まれた雑誌を、同じように掲げて見せる。
「ここ、全天候型だから気にしなくて良いんだよ」
「そうだね。うん」
えへへととろけるような笑顔をこぼす彼女に、うんうんと頷く。
そう。私達の楽しい予定を天気に。いや、彼女の能力に左右される訳にはいかない。
だから、必死でここを探したのは。絶対に秘密だ。
4/13/2023, 1:37:49 PM