NoName

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私に向かいほころぶ花をこの手で手折るくらいなら
そっくりそのままどこかの誰かに奪っていって欲しかった
私の目に二度と触れぬように

その花が新たな場所で
元居た場所など意に介さず
穏やかに咲き続けてくれることを願った

傷つけたくないからと
ひと思いに手折る事も
何度も握りしめた鋏でキレイに切る事も出来ず
望んで迎えた結末

まぶたの裏に焼き付いて離れないあの花は
今は別の誰かを笑顔にしているんでしょう

6/25/2024, 11:12:47 AM