ンーバップ

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真っ暗闇のなか、俺は何かに触れる。湿ってひんやりしている。ぐにぐにとして軟らかいが、中に芯のようなものが入っていて所々固い。表面はざらざらしていて、一部触手……?のようなものもある。俺はその手をぎゅっと握る。手という表現は正確じゃないが、とにかくそいつにくっ付いてる棒状の物を握る。未知の生物の外性器とか排泄器官とかじゃないといいが……。その手を握るのは不安だからだ。暗闇は怖い。光はすべて吸収され、色として目に映ることもない。色の無い世界とはつまり黒だ。何も見えない。身動きがとれない。何もわからない。わからないことは恐怖だ。恐怖は常に未知から生まれる。でも隣には何かがいて、俺の横でじっとしている。俺の手を握り返すことはない。俺はこの未知の生物の色を勝手に想像する。紫にオレンジの水玉模様とかだろうか。ヒョウモンダコみたいに。そうして不安を紛らわす。未知に勝手に色を与えて恐怖をやり過ごす。さて、お前には俺が何色に見えるんだろうな?

4/18/2024, 5:09:11 PM