集中すると起きることでそのときも一瞬のうちにかなり時間が経過していた。わたしは嫌な予感がして顔をあげた。ででん、という効果音を添えて黒板を埋め尽くす白い文字。
ほんとうに勘弁してほしいよなぁ、でもしゃあないよなぁ。もういちどペンを手にとる。キーン、コーン……。もちろん、予鈴じゃないよ。ノートやらペンやらを片付ける物音がこうして聞こえてくるわけだし。
「今日のとこテストでるからなー」ぐさっ。こうなりゃ出るとこ出るぞ。とどめを刺されたわたしは最終手段を選び、となりの子に声をかける。「ねえ」「なに」「ノートみしてくれない?」「は」なんだかこれ第三者からは男が女に変な絡み方したときの図に見えてるよな。などとなんとなく頭の隅で考えながらわたしは手を合わせ、つむじを彼女にむける。
「お願い」「むり」「そこをなんとか」「しつこい」なに、この確定演出。いやまじでなんでこんなに嫌われてるのかわかいし、もし何か気に食わないことしてたなら言ってほしい。「わかんないの?」
4/7/2024, 8:12:10 AM