粉末

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「またそんな格好で外に出たの?!」
「…ゴミ出しに行っただけだ。」
距離の問題じゃない。何度も何度も言っているのに。
「…誰も見ていない。」
「そんなのわからないでしょ。」
そのうすーいインナーシャツが何を守ってくれるというのだ。体のラインをくっきりさせて君を更に魅力的に見せることしか出来ないだろ。
「そんな物好きいない。」
「俺だったら絶対見る。」
彼女はむう、と少しむくれてそのまま何も言わずに履いていた部屋着のスウェットパンツに手を掛けた。
「だから!窓際で着替えないで!見えちゃうよ!」
「…考えすぎ…。」
「なに?なんか言ったかい?」
「…別に。」

君はとても魅力的だということを
もっと自覚を持ってほしい。
嫉妬深い俺はいつもやきもきしているんだよ。
もう何年も一緒にいるのに
この思いは君にはあまり届いていないようだ。



届かぬ思い

4/16/2024, 5:25:34 AM