桜をこの場所で見るのは何度目だろう。昔はあんなに春が来たと喜んだのに、今は春が来たと感じるのは苦しい。それは私に残された時間がまた減ったと告げているから。「どうして私だったんだろう」そんな問いをいくら投げかけたところで時間は答えてはくれない。ため息をつきまた窓の外に目をやれば、さっきまで咲き誇っていた桜は風にあおられ空に舞っていた。その儚く散っていく様はまるで自分のように思えた。
8/2/2023, 1:37:07 PM