グラス越しの輪郭はぼやけて見えた。更に弾けた泡越しの君はもう浴衣を着てはいなくて、それがやけに寂しくて。消えた花火の残り火を未だに追っている私は浴衣の君をずっと探していて。それこそ、弾けた泡になりたいと馬鹿なことを願うくらいには、ずっと。手を引かれて帰るけもの道の中に迷い込んでしまいたいなんて短冊にもかけない願いを口にしてしまうくらいには、ずっと。
8/6/2025, 7:43:26 AM