ただ雪が降る中、目の前の雪原に滲んでいく呼吸を眺めていた。
指先が悴んで痛かった。きっと凍傷になっているだろうが、もうどうでもいい。わたしは静かに降る雪のなかで震えを押し殺しながら、此処で果てたひとを想う。
「……あなたも、こんなに痛かった?」
振り積もった白を悴んだ指先で撫でた。それは最後に触れたあなたと同じ温度がして、もう形すら残っていないあなたが、何故か今此処にいるような気がした。
「ねぇ、また一緒に眠らせて」
そう微笑んでわたしは、きっと二度と開けなくなる目を閉じる。
降り頻る雪に、音はない。
静かな終わり
12/30/2025, 8:14:06 AM