小さな命
はっきり言おう。
僕は動物の赤ちゃんを亡き者にしたことがある。
でも、意図して奪った命ではない。
あれは事故だ。
誰が聞いても事故と言えるほどの事故だ。
学校の庭に落ちていた雛鳥。
まだ生まれたばかりだったのだろう。
毛は生えていなかった。
もしかしたら、あの時点でもう息はなかったかもしれない。
だが、友達が別の場所で同じ雛鳥を見つけた。
どこか安全な場所に移動させようとあげようとしたその時。
手から雛鳥が落ち、踏み出していた僕の足元に...。
さすがに素手ではと思い、友達も綺麗な葉っぱの上に乗せてから運んでいたんだ。
けど、落ちてしまったんだ。
あの時、初めて命を奪った。
人間でないとはいえ、事故とはいえ、尊い命を奪ったんだ。
恐怖しかなかった。
友達にすぐ伝えた。
殺ってしまったと。
その後すぐに僕は逃げるように家へ帰った。
怖過ぎて両親にも話した。
何年経ってもあの時の光景は頭に残っている。
そんで、あの時から決めたんだ。
命は絶対に奪わない。
嫌いな人であろうと、どれだけ憎いと思っても。
それ以外の方法はいくらでもある。
けど、ひとつだけこれだけは本当にしてほしくないことがあります。
自分の命を奪わないで。
2/24/2024, 10:47:08 AM