冬休みになんかならなきゃいいのに…
終業式での校長先生の話を聞き流しながら思う。
君と過ごせる時間が、減ってしまう。
待ち合わせ場所に寝癖をつけてやって来る姿。
「体操着忘れたから貸して!」と俺のクラスに来る姿。
俺を見つけると「おーい!」と手を振りながら話しかけに来る姿。
…あと何回見られるかな。
センチメンタルな気分に浸っていると、あっという間に下校の時間になった。
いつも通りの場所に向かい、君を待つ。
「お待たせ!明日から休みだねー。」
「そうだね。」
「あ、明日家行っていい?
課題わからないとこあるから教えて?」
「お、おう…!」
学校での君の姿を見られるタイムリミットが近づく。
それと同時に卒業後の君の姿が見られるカウントダウンはもう始まっている。
明日の君に会えることへの嬉しさで、センチメンタルな気分がどこかへ吹っ飛んでいった。
231228 冬休み
12/28/2023, 1:47:02 PM