省旭

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「君が幸せでいてくれるなら、それでいいんだ」

彼は穏やかな笑みをたたえてそう言った。あまりにも優しく言うものだから、こちらまで泣きそうになる。
そっと彼に手を伸ばした。彼は泣き出しそうに笑いながら、俺の手をふわりと握る。

「でも、もし、俺のわがままを1つだけいってもいいなら」
 
彼は俺の手を離して、暖かな手のひらを俺の頬にくっつけた。

「いつか、幸せだって、君の口から聞かせて」

3/31/2024, 11:12:21 AM