ホシツキ@フィクション

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結婚して1年が経った。
まだまだ世間的には新婚だろうけど、同棲期間が長かったからかラブラブ感は無くなっていた。

それでも私は充実していると思っている。
そして夫も同じことを思ってくれていると思う。

私たちは職場恋愛からの結婚だった。
最初は寿退社も考えたのだが、その時進めていたプロジェクトがいい感じに進んでいたし、責任者という立場からその考えはすぐに消えた。

夫自身も「その方がいい。子どもももう少し貯金貯めてから考えたいしね。」と言ってくれた。
何より私は仕事が好きだったので、その言葉はとても嬉しかった。

お互い仕事人間なのがちょうど良かったし、会社でも家でも居心地は良かった。

ただ1つ引っかかるというか、不満があるとすれば夫は洋服を脱ぎ散らかす癖があるということだ。

夫の部署の方が忙しく残業も多いため、疲れて帰ってきた夫に怒るということはしたくない。

同棲し始めた時は注意したことがあったものの、ある時から
『この人はこういう人なのだ。』
と自分自身を納得させた。そうしたら心がイガイガしなくなった。

私は夫の全てを受け入れることにした。


脱ぎ散らかすこと以外は完璧と言ってもいいくらいの旦那。
家事も一通り出来るし、仕事が休みの日には朝ご飯を作ってくれたり、デートに誘ってくれる。
だからだらしなさも人間らしくていいな、と思えた。


それは好きという感情が無くなった瞬間だった。

これが愛なのかと感じた。
人間臭さも愛おしい。

友人曰く、「相手の欠点も受け入れることが愛」らしい。
つまり私は夫を愛しているという訳だ。


――今日旦那の帰りが遅いみたい。
今進めてる案件がかなり厄介らしく、また一緒に進めていた同期に不幸があり休んでいるため、そのカバーを夫がしている。

と聞いていた。
きっといつもより疲れて帰ってくるだろう。

そうした時、私ができることは労って、夫の好物を作ろう。


――――そして、いつも通り夫が脱ぎ散らかした洋服を
拾うのだ。


「おかえりなさい、お仕事いっぱい頑張ってお疲れ様。」

という言葉と共に。

そして寝る時はおやすみ、と言って軽いキスをしよう。

「愛してる」よりも強い、愛の言葉。




【愛言葉】~完~


私はパートナーに「愛してる」と言われるよりも、
「君の好きなお菓子買ってきちゃった!」の方が嬉しかったりします。(もちろん愛してるも嬉しいですが)

何かをする時、無意識のうちに「あの人は何が食べたいかな」とか「これしたら嬉しくなってくれるかな」と考えたり、考えられたりすることが私の中の“ 愛 ”の定義かもしれません。


いつも♡︎ありがとうございます!本当に感謝です┏○ペコッ

10/26/2022, 12:35:10 PM