早朝から現在に至るまで垂れ流されていた流行りの飯食うテレビドラマから一時的に開放された君が食卓につく。
「年越し蕎麦、じゃなくてチキンラーメンかあ」
「長っ細いモノなら何でも良いんですよ、まあ、そんなモノ食べたところで寿命なんて変わりゃしません」
用意した白いどんぶりにポイッと乾麺を放り込んで、小皿に置いておいた卵を手にする君。
「お揚げ入れる?」
「コイツさえ有れば何も入りません」
「夜中に腹減っても知らないぞ?」
「その時はスルメでも齧っときますよ」
テーブルの角で卵に小さな割れ目を入れて、どんぶりの上でペカンッと卵を割った。
途端に、君の嬉々とした表情が更に明るくなって。
「見て、ふたご!」
君が両手で包み込むように持って見せてくれたどんぶりの中。
「うわっ、ホントだ珍しい!」
チキンラーメンの上に鎮座する二つの黄身を見下ろし、直後、ヤカンの湯を回しかけた。
テーマ「良いお年を」
12/31/2024, 2:25:01 PM