「夢って見ます?」
いつもと同じ声のトーンで突然の問い
「僕はあまり見ないですね、よく見るんですか」
「私もあんまり見ないですけど、昨日は何だか変な夢を見て...」
彼女は少し俯いて、耳にかけていた髪の束がサラリと頬を撫でた
「変な夢、ですか」
「そうなんです...、笑わないでくださいよ?
...1つだけ願いが叶いますって書かれた葉書が届く夢で、
その余白に願い事を書いて返信すれば叶うって」
真っ直ぐな瞳で僕を見る
「へえ、面白い夢ですね。それで何と書いて送ったんですか」
「それが、夢の中の私ったら、───」
、────
ピピ...ピ...
目覚ましの音が聞こえた
まだ瞼の裏に夢の中の彼女の残像が見える
夢か......
何を願い事にしたのか分からずじまいだな...
1つだけ願いが叶う葉書か...それなら僕は、
4/3/2024, 12:24:05 PM