SAKURA・Lemon

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_日常_


俺は、毎日毎日必死に勉強をしている。

将来だとか、今後の成績の為だとか、そんな天才的考えなんかじゃない。

ただ単にやる事がないからだ。
毎日同じ時間を繰り返して、クラスメイトの馬鹿騒ぎを黙って聞いているだけの、そんな空き時間に何をするかって言ったら勉強でしかないだろ。

真面目かよ…俺クソ陰キャじゃん…。
まぁ、それなりに毎回テスト順位はトップの座に立っているが、別に一位を狙っているわけじゃない。

新学期になり、またいつもと変わらないクソ平凡な日常が幕を開けるのだ〜…そう思っていた矢先に、後ろから見覚えのある、可愛い?声が俺の名前を呼んだ。

「あ、あのっ…君、テストいっつもトップだよね…?その、もし良ければなんだけど…私に勉強法教えてくれないかな…?今、凄くヤバめで…ハハっ…ダメだったら別に良いんだけどっ…。」

え、あ、は?なになに何か急に話しかけられたんだけど?!

…は?嫌だよ。

屑な返しをするつもりが、コミュ障の性か全く言葉が回らなく、咄嗟に

「い、いい…ですヨ。」

…いや馬鹿じゃん!?ただでさえ話すの何年ぶりだよ!?まぁ先生とかグループ活動ではそれなりに一言二言話してますけど?!しかも相手考えてみろ!!
女子だぞ?!クラスで人気そこそこのある、あの女!!

「やったぁ…っ!あ、私の名前分かるよね?ヒナだよ!…ふふ、そりゃあわかるか…へへ…。」

なんだなんだ、凄い話勝手に進めるじゃないか。
そういや名前…ヒナだったのか…。

「えぇっ…と…俺は何をすれば良いんですカ…。」

「ふふ、そんなに固くならなくてもいいよ〜、ええと、私にテスト勉強の仕方とか、教えて欲しくてね…。」

ただでさえこんなに目立つ人といたら俺、めっちゃ目立つやん…。

「な、なぁ、やっぱり、放課後とかでいいか…?」

「えっ…あ、うんっもちろんいいよ…!ありがとね。」

うぉ、褒められたんだけど…あんまし慣れないなこれ…。

放課後になり、2人でクラスに残り、勉強を広げた。

「…一つ聞いて良いか…?」

「ん?どーしたの?」

「…なんで、俺に勉強法を聞くんだ…?他の頭いい奴に聞けばいいのでは…。」

ずっと疑問に思っていた事だ。なにせ、こんなド陰キャに聞いたって話しずらいだけだろうに…。

「…ただ単に君に教えて欲しかったってだけだよ…?」

?!なんだその意味深な表情は…そうだ、絶対からかっているんだ、陰キャ乙〜みたいに。

「…ねぇ、勉強会終わった後って暇?…最近人気のカフェ屋がオープンしてさ…っ!帰りそこ寄らない?…うん賛成!」

待て待て待て…俺はまだ何も言っていない…。

というか、これって…放課後デートってやつか…?いやいや、今日話したばかりのやつとそれはないって…距離感保つってのないのかコイツは…。

「ってもうこんな時間なんだ…っ!カフェ屋閉まっちゃう!一緒に行こう!」

「え、えちょちょ、まってよ…ちょぉぉぉっ!!」

「アハハっwそんな大声出せるんだぁ〜w」

しまったっ…!何してんだ俺ぇぇ明日放送で全校に流されるぅぅ。

「ふふ、これは私しか知らない事だよね…?」

「ん…?ま、まぁ、そうだけど…。」

どう言う事なんだよ…っ。

で、その後無理やりそのカフェに連れて行かれ、今一緒にレジに並んでいるところですね。

「…俺らって一切関わりなかったよな…?なんでこんな急接近してくるわけ…。」

明らかに呆れてる調子で言ってみたら、彼女の表情が雲がかかった。

「あ、…ごめんね…今日、君の話とか聞かずに勝手に進めちゃって…。」

その通りだわ…、

でも、そうなんだけど…なぜかすごく楽しいと思えた。

「…俺さ、ずっと教室の隅で勉強してる真面目陰キャだけど…本当は、こんな感じで…放課後誰かと遊んだり…雑談して笑い合ったり…そんな事が…一度でもいいからしてみたかった…。だから…っ今日、一日ちょっとだけ…た、楽しかった…んだと思う…。」

絞り出すように言うと、彼女はポカンとしたような表情をして、口を微かに開けたままにしていた。

「ごめん…こんな話されても、ウザいだけだよね…。」

そう謝り、彼女の顔を見ると、少し頬が赤みが刈っていた。

「わっわわ、えぇっとね!あ、うんっそうなんだ…!!」

「え、なになに…ふっ…。」

あ、やべ、笑っちゃった…。

「えっ…ふふ…今日一日で嫌われたかも〜って思ってたから…良かったぁ…。君は一人ぼっちが怖いんだよね?…その解決方法、私知ってるよ。」

俺に嫌われると良くないことがあるのか…?不幸とか気にしてんのかな…

「…そりゃあ、君人気有り余りすぎてヤバいもんな…」

「そ、そこはいいの!……それもそれで、大変何だよ…」

彼女が最後の方ボソッと何かを言ったが俺の耳には全く聞こえなかった。

「…ん?なんて言った…?」

「い、いやぁなんでもないよっで、この解決方法何だけどね!」

「う、うん。?」

そこで、言葉を溜めて太陽のような、優しい笑顔を俺に精一杯向けて言った。

「…今日から私の友達になること…!」

「………は…?」

それからと言うこと、彼女は毎日のように俺に話しかけてきた。LINE交換したりして、度々遊びに出かけたり、やたらと彼女の接近が早かった。俺はいつの間にか彼女と打ち解けていた。

今日はヒナにショッピングに行きたいー!と言われて、言われるままについていくことにした。


「お待たせ〜!待った…?」 

「ん?いや、別に…。」

ショッピングモールを自由に歩き回っている所でずっと疑問に思っていた事を彼女に言った。

「なぁ、ずっと気になってたんだけどさ…なんでこんな俺と仲良くしてくれるんだ?」

「えっ…それは、君と仲良くしたかったから…ってだけ!これだけ!以上!!」

「急に大声だすなよ、wまぁ、そっか。…ありがとな。本当に。」

「っ!…あの時、話しかけてよかった…うん…私も、仲良くしてくれてありがとう。」

珍しく彼女の割には静かで優しいトーンで話していた。

「…らしくな。w」

「もう!なによ〜」


月日が経ち…彼女から告白を受けた俺は今、超絶悩んでいる。

彼女が恋人なら、大丈夫だろうと思っている。
じゃあなんで悩むかって言うと、

彼女の事をそんな風に思ったことは一度もなかったからだ。ボッチo n恋愛経験0だぞ?

彼女は、俺の最初の友達だちでもある。その関係を壊したくないと、心の奥底で思っていた。

そもそも彼女からそんな感情を抱かれているなんて全く思ってもいなかった。しかも、ずっと前からだなんて…。

今思えば、俺に対して急接近していたのも、全て計画通りだったのかもしれない。俺と仲良くなるために、そう思えば辻褄があう。

彼女のおかげで、俺の日常は変化されていった。彼女は俺にとって大切な存在だ。

今じゃあ6年ほど付き合っている。そろそろだな。

プロポーズ、今度は俺の番だな。









❤︎エレナって言う人の小説本当に大好きです!○*・

6/23/2024, 3:11:39 AM