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どれかひとつ選んで!

そう言ってみんなの前に出されたのは

カラフルなミサンガだった。

私は最後ので

その言葉に重なって

ポニーテールが特徴の彼女が言う。

みんなでせーので指さしたやつにしようよ!!


はじまった。

私はこの提案が好きじゃない。

提案というか、選ぶことが好きじゃなかった。

優柔不断で決められないからだ。

どれかひとつなんて難しい。

青が好きだし青色指さそうかな?

でも被っていた時の譲り合いが

気まずいなぁと思っていたら

サラサラな長い髪が特徴の彼女が私を引っ張った。

彼女の隣にはいつも誰かがいて

話すことは無いはずなのに

彼女に手を引かれながら

女子グループを離れた。


何か用?

可愛くもない私の言い方に彼女は笑った。


ううん,なんもないよ?
ただ話したかっただけだよ。
迷ってたでしょ何とるか。

にこっと笑う彼女は

女の私でも惚れてしまいそうだった。

彼女はそれに気付かずに話し始めた。


1つだけって難しいよねだってさ…


私と彼女はいろいろな話をした。

すると私たちの元にミサンガをもって女子が来た。

青色しか残っていないけど大丈夫?

彼女と私は声を合わせて

もちろんと言った。

今日の空はミサンガと同じ綺麗な色だった。





─────『1つだけ』

4/3/2024, 11:45:25 PM