放課後であろうと、ここの教室には何も無い。黒板をチョークで汚す教師も、甘酸っぱい恋愛を頭に妄想をする男女も、何より私の邪魔をする奴もいない。
つまり、私ひとりしかいない空間なのである。よく、放課後と言えば好きな人に告白するのに打って付けだとか言うロマンチストもいるが、正直自分のお気に入りの時間と場所を喰われるのはストレスが溜まる。
私は、ただでさえ人の気配のない映画館で過去の自分の映像を見ていた。昔の自分に共感し、挙句の果てにかつてのストレスまでこちらに共鳴して頭が痛い。
だが、この映像が止まる事は無い。なぜなら、これは映画なのだ。現実と同じで夢の中だろうと自分の意思で止められるほど融通は利かないのだ。そして、何より私自身がそれを許しはしないからだ。
放課後は終わらない。
お終い
秘話
カーテンの話とリンクしています。
10/12/2023, 10:19:03 AM