薄ら赤いブルネットの髪を揺蕩わせる僕は地面から真っ直ぐに私を見上げていた。
その瞳は今から命を奪われる現実を真っ直ぐに見つめてそれでいて哀愁を孕んでいた。
なんてことは無い。予定されていた終わりを予定より遅れて迎えただけのこと。
「名残惜しいか」
「まあな」
ゆっくりとその喉笛に指を添わせる。
力を入れると共に気道はゆっくりと軋み空気の通り道を狭めていく。
僕は名残惜しく瞳を閉じその時を待っているようだった。
しかし、瞬く間にカッと瞳が開いて青色のそれがみえたかと思うと、いつの間にか私の手は僕をはなれ、私の胸部に強烈な痛みが走った。
「グッ、」
あまりの痛みにその場に頽れる。例えるなら鼓動する心臓を無理やり拳で握り込んで止めるようなそんな痛み
【ごめんな】
痛みにもがきながらも声がした方向、僕顔を見て理解した。
ああこれは罰かもしれない。
5/30/2023, 7:03:30 AM