私のおねがいごと
なんて、沢山書かれた紙切れが笹に飾られているのを横目に僕はリハビリをする。願い事なんて叶うわけないのに…馬鹿馬鹿しいと思いながら意味のない体操を続けていると後ろから声がした。
「お兄ちゃん大丈夫?」
二つ縛りをし車椅子に乗って笑顔で言ってくる女の子。
病院にいるんだから大丈夫なわけないだろ、って言いたかったけどこの子もそうだろうなんて反省しながら言う。
「うん、大丈夫君は?」
「うーん」
しまった、小さい子で自分の病気もわかってるようでわかってないこの時期が一番心が痛むのではないか?僕のせいでトラウマになって欲しくない。
「私ね死んじゃうんだって」
「えっ」
そうゆう女の子は死ぬと言う言葉を知らないような笑顔で話す。
僕がこの子の歳だったら死ぬと言う言葉も知らないしましてやこんなとこにもいない。むしろ外で元気に走り回ってるところだ。こんな会話は大人でも子供でも気まずい。
咄嗟に無理やり話を変える。
「来週は七夕だね、どんな願い事書くの?」
すると女の子の顔はほんの微かに輝いてるように見えた。
「うーんとね、」
そこで僕は医者に呼ばれた。助かったようで助かってないこの状況で僕は吐きそうだった。
「バイバイまたね」
「お兄ちゃん一緒に星見ようね」
「、うん」
と話して僕は去る。次の日もまたその次の日もその繰り返しだった。
七夕前日、いつしか僕の日常にあの子と話すことが当たり前になっていった。
「お兄ちゃんあのね、私明日までに死んじゃうかもしれないの」
鈍器で殴られた衝撃といつしかこうなるだろうなと思っていた感が当たって気持ちが悪くなった。
僕はそのまま白い天井の下で目を覚ました。
気づけば日付は変わって7日七夕だ。話を聞けばあの後僕は倒れあの子が看護師や医者らを呼んできたらしい。すごい行動力だ。
ベットから起き上がりあの子のところに行く。
もういなかった。忘れてた。どうして忘れていたのだろう。いつかした約束を果たせず、最後は助けられてお礼も言わずに生きた僕が代わりに代わってやりたいと思うほど罪悪感で息が苦しくなってうずくまっていた。もうあの子はいないのだ。正論と僕の病気だけが残る。あの子は残ってくれなかった。
顔を上げると風に揺られている笹を見つける。落ちている短冊を拾い名前を見るとあの子の名前だった。
“お兄ちゃんのが病気治りますように”
あの子は病気がなければ今は2年生らしい。学校に行っていれば綺麗だったろう字が不慣れで不器用な字て書いてある。
死ぬ間際まで僕のことを考え自分のことでなく他人の幸せを願う君が羨ましく思った。でも僕もそう長くないのだ。
今まで逃げできたこの病気に今向き合う決意ができたよ。
僕が生きていても優しい君なら許してくれるだろうか?
僕がそっちに行くまで待っててね、
一年後、七夕の日僕は今もあの子のことを忘れていない。
後ろで聞き慣れ、望んでいた声がする。
「お兄ちゃん」
願い事、叶ったよ
7/8/2025, 7:55:15 AM