『渡り鳥』
私が生まれた町の川辺には毎年、白鳥が来る。白鳥たちは冬を越すために遠い国から渡って来ると聞いて、幼い私は不思議に思っていた。冬を越すのに、なぜわざわざ寒い時期のこの地に来るのだろうと。
私は、この国の冬よりももっと寒い冬があり、もっと厳しい環境があるという事を知らなかった。せっかく来るのなら、暖かくて綺麗な花が見られる春や、プールや水遊びが楽しい夏や、美味しいものがたくさんある秋に来ればいいのに、と思っていた。
なんて事はない、無知な幼子の可愛い記憶の話。
5/29/2025, 12:34:50 PM