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僕は…過ちを犯した

あの日は
ミンミンゼミの大合唱がうるさく聞こえる日だった

お母さんがスーパーに連れて行ってくれた
僕はソーダ味のアイスをカゴにしれっと入れた

お母さんはすぐに気付くと
またアイスばっか食べたらお腹壊すよ
と言った

外で待ってるー

僕はガチャガチャを品定めするために炎天下の中
外で汗を垂らしながらガチャガチャを見て回る

お母さんがスーパーから出て来た

おかーさーん
これー

ガチャガチャをせがむと
200円をくれた

キラキラしたスーパーボールが出て来た

わあーー!!!

僕はテンションが上がり早速遊び出す

こら 道に出たら危ないから!
お母さんが言う

僕は気にせずスーパーボールで遊ぶ


ドタッと音がして
僕は音のした方へ振り返ると

お母さんが倒れていた

おかーさん!!!

僕は大泣きしながらお母さんに駆け寄り
立ち上がるお母さんの無事を確認してると

お母さんは膝を盛大に擦りむいてしまっていた

わあああ!おかーさん!!わあああ…

お母さんは血の出る膝を見て
ちょっと転けただけだから大丈夫!泣くな!
と僕に言う

僕のせいでお母さん!!
わああああ!

僕は大泣きするものだから
周りの人が駆け寄って来た

大丈夫ですか?あらあら お母さんが…
見知らぬ人がお母さんにハンカチで傷口を塞ぐと
ぎゅっとしばってくれた

もう大丈夫よね 絆創膏持ってなくて ごめんなさいね
見知らぬ人はそう言うと

すみません ありがとうございます
とお母さんが挨拶した

僕はスーパーボールを握りしめたまま

お母さんの服の裾をぎゅっと掴んで

どこか行っちゃやだ

と喚くように言った

お母さんは

大袈裟!

と言うと普通に歩き出した

その日以来
スーパーボールでは遊ばなくなった


そんな夏もあったなぁ と
僕は分厚い雲が浮かぶ空を見上げた

7/16/2024, 10:52:05 AM