無音

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【251,お題:それでいい】

「ずっとずぅぅっと...!だいっっっっきらいだったんだよっ!」

君に聞こえるように、絶対に聞き逃さないよう大声で叫ぶ
ちゃんと耳に入ったんだろう、表情が大きく歪んで見開かれた目がそれを示していた

「顔も!声も!存在事態が気色悪くて堪らない!」

ぽろぽろと涙をこぼしながら、なにか言おうと君は口を開くが
言葉にならない空気の塊ばかりが溢れるようだった
傷付いた表情で尚もこちらを見つめてくる、あああもう本当に君のそういうところが...ッ!

「早くどっか行けよ...!気持ち悪ぃんだよ、もう2度と俺に関わんな!」

背一杯の威嚇の気持ちで吼える、君は涙を流しながらようやく走り去ってくれた。

「......それでいい...ッ、」

心の中でごめんと謝る、俺は口下手だし不器用だからこんな手段しか取れない
怒っていい許さなくていい、愛想尽かして別の奴に俺の悪口を言ってくれてもいい
巻き込みたくなかった、俺のことなのに自分のことのように受け取って俺以上に悲しんでくれる君を苦しませたくなかった。

「ははっ...なんだよ......結局寂しいのは俺じゃねぇか...」

向き合わなくてはいけない、もう十分逃げただろ
辛いも全部慣れっこだ、今まで1人でいたんだ、また1人になることくらいなんだ

だから

「これでいいんだ...」

4/4/2024, 10:42:35 AM