西の護符屋

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 もう視力を失った母の鏡台にはずっと、幼い私が描いた母の似顔絵が挟まっている。添えられた「だいすき」の「す」は、鏡文字だ。
 鏡にはあの頃の母の歳を超えた私がいて、冷蔵庫にいつも貼ってある息子の手紙を思った。
 母の愛情深いところが息子にも鏡写しのように似れば良いと祈りながら顔を擦って母の忘れ物探しに戻った。

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 日本では鏡が度々御神体となって信仰されていますが、海外ではあまり、神格化されていないのか見つからないのが面白かったです。
 ナルキッソスが見た水鏡とか、メデューサの邪眼の効果を防ぐため相手を確認するために鏡のように磨かれたアイギスの盾とか、神話や童話の中にでてくることはあるのですが。

8/19/2024, 9:47:45 AM