「はい、糸電話だよ」「んだよガキの遊びじゃねーか」彼女から渡された紙コップ製の受話器を渋々受け取りながら彼は耳に当てる。「それじゃあ言うねー」電話線がぴんとしていることを確認した彼女が受話器を口に近づけた途端彼は受話器を持つ手を少しゆるめた。聞かなくても伝えたいことは何なのか分かる。ゆるんだ電話線に気がついた彼女が「今の聞いてないな?」と問い詰めたが、彼はそれを言い当てると彼女はご満悦な表情になった。
2/12/2024, 1:10:46 PM