Rutu

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星空の下で私たちは…



先輩との交流期間を完全に失ってしまった…

「お前、最近元気ないよな」

「好きな人に会えない気持ちがどれだけ辛いかわかってないでしょ!?」

「へぇへぇ」

君の意地悪にももう慣れた。可愛いかまってちゃんなんだ。私は先輩に会えない苦しみから少しだけ幼馴染くんに救われている気がする。頼もしい訳でも強い訳でもない。ただ、一緒に居るだけで、私は安心してしまったんだ。ずっーとそばにいて見捨てない人。君にはわかりもしないだろう、これまでの想いなんて、これまでの苦労なんて。


「今日も送ってく」

「えぇ。良いよォ、マジで優男(やさお)やね。」

「そんなんじゃねぇし」

「ここまでで良いよ、ありがと。じゃあまた…はぁ、仕方ないなぁ」

私の袖を無言で掴む幼馴染くん。おねだりのはじまり。私が何しようとも本気で疲れてる時以外は帰ってくれない。私たちは自転車を停めて、地面に腰を下ろした。星空が綺麗だったんだ。

「あっ!見て、あれあれ!めっちゃ綺麗。一等星かな?」

「ん?あ、ホントだ。」

私が空を眺めていると君は話し始めるんだ。

「あのさ、俺、最近ちょっと……」

学校の話や友達の話。幼馴染くんは決まって私の前で話して相談してくる。

「ストレスは溜めちゃダメだよ。あ、そうそう。ハグすればストレス軽減されるらしいよ」

そういうと君は私に向かって両手を広げた。恥ずかしそうにしながら。冗談はよしてよ笑なんて、あんなに真剣になっていた君に言えそうにもなかった。クスッと笑ってから私はまた星空を眺める。
君の手は私の手に触れていて、星空の下で私たちは、密かに互いの体温を噛み締めていた。
流れ星に、君はなんと願ったのだろうか?

4/5/2023, 2:11:53 PM