シロツメ ナナシ

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『誰もいない教室』


―――移動教室


にもかかわらず
なんか億劫だったんで
ベランダに出て呑気にしていた

そろそろ行くかと思った時には
教室はがらんどう
誰も残ってなかった
まぁ当然か、もう5分も切ってる



……いや、一人いた


一人女子が寝てる

この子は……俺がちょっと、
ほんのちょっと気にしてる女子
今風に言うと地味系女子
黒髪ショートでメガネで丸顔
化粧っ気は無いのに綺麗系
地味可愛い、男子ウケのいいタイプ

ご多分にもれず
俺もまんまと一目惚れの片思い


特別な接点はほぼないが
彼女もまた特にクラスで浮き気味な方で
……俺は勝手にシンパシーを感じてた


俺も絵に書いたような
陰キャで目立たない、
そして目立っても嫌われるタイプという
本当にしんどいやつ


それでも俺はなんとなく
彼女を起こしていた

……触れて何らかあると面倒だから
机をノックするように軽く叩いた

「…………ん―――?」

彼女と目が合った


その彼女が周りを見渡しすぐ気づく


それを確認した俺は、

すぐさまその場を後にして
移動教室先に向かった


「ぁ―――」


誰もいない教室―――




俺は……いじめられ予備軍勢



俺の様子を廊下で
今年のイジメで有名な奴らが
変にたむろしていたのもあって
極力周りを巻き込まないようにした


俺と関わる人は
連鎖的にいじりや変ないじめが入る


……いじめる人間は本当に―――


とにかく、
いじめられてる俺の方が
無害の他人に被害が出ないように
配慮しなきゃ行けない学校生活


それが俺は……
ただ悔しかった


絶対に……負けないって

卒業まで、
――――――あと一年強、



〜シロツメ ナナシ〜
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9/7/2025, 4:53:38 AM