【 やわらかな光 】
こんなにも暗闇に墜ちるとは思わなかった。
ただ、自分というものの価値を軽んじて、
大事なものを見出だせなかった結果がコレだ。
他人がどんなに案じた言葉をかけてくれても、
何ひとつ響かない、いや、気付かなかった。
もがいても何も触れることのないここで、
過去を悔い、未来を嘆く。
そうして愚かさに打ちのめされて、やっと辿り着く。
あぁ、バカげた人生だったと笑い合う、
そんな幸せを噛み締めたかった。
できることなら、やり直したい。
その願いが伝わったのか、一筋の温かい光が差し込んできた。
安堵する、優しい光。
今、天上への門が開かれた。
10/17/2023, 6:36:27 AM