"ずっと隣で"
君の手が嫌いだった。誰かのためにとばかり忙しなく動くその手が。
君の足が嫌いだった。誰かを助けてはまた別の誰の下へと向かうその足が。
君の背中が嫌いだった。誰かを覆い守るためにあると言わんばかりのその背中が。
君の横顔が嫌いだった。誰かを安心させるために笑ったその横顔が。
君の瞳が嫌いだった。いつになっても君自身を視界に入れることのないその瞳が。
君は、いつになったら君を君自身のために使う。
本当に、困った人だな。
しょうがない。
君が誰かのために生きるように、私は君のために生きよう。
私の手は君のためだけに動かそう。
私の足は君の下へと向かうためだけに動かそう。
私の背中は君を守るためだけにあるんだよ。
私の顔は君に笑いかけるためだけにあるし、
私の瞳は君だけを視界に入れる。
ずっと、ずっとふたりで。ずっと隣にいさせてね。
3/13/2026, 12:28:26 PM