煌めく夜の街に沈んでいく月を眺めながら
内に籠った熱を夜風で冷ます
季節外れの雪が僕にだけ降り積もり
寒さを感じたかのように
真っ赤になった顔を手で隠す
遡ること5時間前…
「私、好きな人ができたんです。」
「好きな人…。誰か聞いてもいいかな」
目の前の少女が顔を近ずけこう言った
「私の目、見て。」
「かっこいい人写ってるでしょう。その人です」
勿論、後ろを振り返ったって誰も居やしない
その瞬間から顔は火照ったままだ
何時間、何日、何年経とうと
忘れられるはずがないだろう
僕も彼女のことを好いているのだから。
5/9/2023, 10:30:55 AM