夏目英

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恐ろしい悪夢を見た。何かの遠い記憶だろうか。
悪夢の中の僕は幼かった。目の前には切羽詰まった顔をした父と母がいた。
ここを絶対に離れるんじゃないぞ、あなたはここにいて。父と母はそう僕に言い聞かせていた。
行かないで! そう叫んだ僕の手をすり抜け父と母は僕から離れてどこかへ去っていった。
だが、いても立ってもいられない僕は父と母の言い付けを破ってでも父と母後をついて行った。
その時、母の悲鳴が聞こえた。恐る恐る襖越しから見ると、倒れている父と母がいた。動かない二人に僕は恐怖で足がすくんで動けなかった。奥に何かを持っている人物がいたが、そこで悪夢は途切れた。

10/25/2023, 12:38:37 AM