昔から、年を越す瞬間が嫌いだった。
その1年を振り返って、何も変われていない自分自身が
浮き彫りにされる。それを自覚しなければいけないのは
苦痛だった。
また死ぬことができなかったと絶望して、新しい1年が
始まってしまったことに絶望して。
今回もそうなると思っていた。思っていたのに。
日付が変わった瞬間、着信があった。
「ハッピーニューイヤー」
明るくて、思わず笑みが溢れるような声が耳に届く。
話しているうちに、気づいたら笑っていた。
救われた。
未だに人を好きになることは怖いし、避けられるのなら
避けていたい。
死にたがりの人間が、誰かと一緒にいることを望んでは
いけないのに。
でも、無理だと思った。無理にしたくなった。
今までの自分を否定することになっても、よかった。
これから少しずつ恩返しがしたい。
恩返しがしたいから、できるまでは生きていたい。
そしていつか、直接ありがとうを伝えられればいいな。
1/1/2025, 6:35:03 PM