【天才の考えてることは違う】
僕が作る作品の中で『小林花奏』というキャラクターが出てくる。そのキャラは僕の友達の性格をモチーフに作り上げてきた。その友達について今日は語ろうと思う。
僕の作品内では花奏は女性だが、僕の友人は男性である。合理的で頭がよく、百万人の中で選ばれた天才だ(事実)。彼とは中学2年生からの付き合いである。ただ、僕が話しかけて仲良くなったに過ぎない。まぁ、そんなことはどうでもいい。同じ高校に入ったものの、彼は5年制の看護科に入った。そいつのクラスをみてみると、予想通り男子一人。周りの女子と話すらしいが話すだけ。別に友だちになろうとはしない。そんな彼に対して僕は心配する気持ちがある。彼は一人でさまざまなことをする。僕らは無意識に彼の術中にハマっていたのかもしれない。
彼が中1の頃、陽キャでたくさんの人と交流していたらしい。学力は普通ぐらいで、どこにでもいる普通の生徒のように見えた。中2の頃、彼は激変した。陰キャの天才に急変化したのだ。そして、学力を一気に上げたらしい。それを中3まで続けた。
この話を聞いたとき、『すごい』としか思わなかった。相変わらず、僕は馬鹿だ。この話の後に彼はこう答えた。
「中1は自分を守る駒作り。中2、中3は手に入らなかった駒を調達するための急変化。そんでもって、俺に攻撃してきたものを徹底的に潰す。」
「怖い話だ。頭の良い人間はこういうのをやるのか」と思わずにはいられなかった。具体的に説明しよう。中2までに手に入らなかった駒というのは、学年トップ、リーダー的存在、良い奴と悪い奴を区別できる攻撃的な人物。この4つだったらしい。そして実力を隠していた理由が、2つある。1つが周りから注目されること。性格の変化と共に成績急上昇。これを聞きつけた学年トップの成績を誇る人間が関わってくるという。実際、そうだった。そして、学年トップとリーダー的存在は仲が良かった。それにより、この2人は彼について知る、面識を持つこととなった。つまり、強力な駒を2つ同時にゲット。3年生になっては、良い奴と悪い奴を区別できる攻撃的な人物と同じクラスになり、彼はよく話しかけ駒として動かせるまでにはなった。
3年生のとある日、グループ活動の最中、彼の班の男が彼の将来の夢を大声でさけんだ。
男「え?まじで?ーーー(彼の名前)看護師めざしてんの?すげぇ」
一瞬にして彼の将来の夢が暴露された。しかし、これは彼の作戦だったという。男子で看護師を目指している人なんてあまり見かけないだろう。多様性という時代だからといって、まだ男子にとっては人気があまりない。ここからがよくある話だ。昭和生まれのような人間がいる。「男子が看護師?ダッサ。」と固定概念にとらわれた人間。実際、そのような人間はいる。そして、彼にもそのような言葉をかけた奴がクラスに数人はいた。しかし、一ヶ月経てばこのように言ってくる者は出てこなくなった。周りの人間の記憶から薄れていったというのも多少あるかと思われたが、そうではなかった。彼に対して、罵声を浴びせた者は、彼の駒によって処理されていたのだ。いわゆる無意識の洗脳。彼が動かしたわけではない。彼の駒が自分の意思で行動したものだった。彼はこれを計画的に実行していたのであろう。あまりにも賢すぎる。
自分の身を守るための駒作り。これが何を意味していたのかわかるだろうか。僕は未だにわかっていない。
end
8/15/2024, 1:35:24 AM