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私は運命なんて信じない。
人々は運命の赤い糸という物を信じる人がいる。私はその運命の赤い糸とやらを自分の手で引きちぎった。
私の家はシングルマザーで家計はかなり貧しく、学費が払えないため大学を諦めるよう言われていた。私は美術大学に行くためだけに頑張っていた。どうしても大学に行きたかった。
ある日、母が大手企業の社長令息との縁談を持ってきた。私にとってその縁談が正直良いものなのか悪いものなのかは分からなかった。この縁談が上手く行けば大学にも行けるし母の生活費も負担してもらえる。
だが私には2歳年下の彼女がいる。金か恋愛か。自分には到底判断するのが難しいものだった。
私は彼女に相談をすることを躊躇って縁談の話を彼女に出すことができずに令息との縁談は思っていた以上良好に進んで行った。進んでいく度、不安と罪悪感が募っていく。
結婚の話が度々出る中、私は決断をすることが出来ずにいた。あわよくば、何も考えずに一人で生きたいと思う時もあった。でも今日で何もかも終わり。
私は金を選び彼女には別れ話を切り出し交際を終えた。
これで私は幸せになれるの。たとえ好きでは無い人とでも。愛のない結婚でも。

2023/6/30

6/30/2023, 12:38:05 PM