夕飯の片付けも終わったし、お風呂も入った。明日の支度は明日の私に任せましょう、とベッドへ先に入っていた恋人の上にダイブする。
「ぐえぇぇ」
「そんなに重くないー」
「ゆ、油断してた時に乗っかってきた……」
なんとも心許ないか細い声が布団の下から聞こえてくる。私はそのままベッドに入り込むと彼の腕が私の身体に絡みつく。
あったかいなあ……。
そう思って、私も彼の腕に自分の手を重ねた。
「おやぁすみぃ……」
それが、今日の彼が発した最後の声。
彼の体重が少し私に乗せられて、ちょっと重いけれど嬉しくて、私も瞳を閉じてしまった。
おやすみなさい。
おわり
四〇六、最後の声
6/26/2025, 2:31:46 PM