未明

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「雨に佇む」

最悪だ。

今日はせっかくのお出かけだと言うのに
外ではザァザァと音を立てて雨が降り続いていた。

窓を開けると、じっとりとした風が
全身にまとわりつく
まるで執着でもしているように
じわじわと僕の、気力すべてを奪っている気がした。

諦めよう。

気持ちを切り替え、改めて何をしようかと考える。

数十分考えてみたものの、特にやることがなく困ってしまった。
そんな時にふとあの子のことを思い出した。

今何をしているんだろうか。

と、ふと興味が湧いてきた。

僕とあの子の家は小さい頃から隣同士で
記憶が確かならば、今も隣に住んでいるはずだ。

……しばらく顔を見ていないけど、大丈夫だろうか。

残念ながら僕とあの子は中学卒業と同時に疎遠気味で
ここ数ヶ月は会話も交わしていなかった。

段々と増えていく不安を他所目に、僕は思い切って
会いに行くことにした。

案の定、あの子の家にはすぐ着いた。

やけに暗い家の中。

もしかして、引っ越してしまったのだろうか?
いや、でも人が住んでいないにしては妙に小綺麗と思った。

留守にしているんだろうか、と思いつつ
そっとドアノブに手をかけた。

思い返すと、昔は親同士も仲が良くて
好きな時にこうやって出入りしてたっけ
と、暖かな思い出が蘇ってきた。

ゆっくりとドアノブを回すと、鍵はあいていた。

もし、知らない人が住んでいたら、と
一抹の不安に駆られたが
きっとあの子は居るだろう、と信じ
部屋に向かった。


……居た。

かつてあの子と遊んだ子供部屋に向かうと
部屋の真ん中で、ひっそり佇むあの子を見つけた。

あの子は泣いていた。

(執筆中です。スランプ抜けられそう)





8/27/2024, 11:35:31 PM