#夢が醒める前に
夢はいつか、必ず醒めてしまうものだから。
どれだけ強く願っても、どれだけ長く縋っても、
朝は無慈悲にやって来て、貴方の残像すら攫っていく。
だからせめて、まだ夜が続いている間だけは。
目の前からいなくなってしまった貴方の温もりを、
指先の奥に閉じ込めていたい。
触れたはずの体温も、囁いた声も、全部が幻だとしても構わない。
思い出すことでしか、貴方を感じられないのなら
——何度でも、何度でも思い出す。
あぁ、どうか消えないで。
現実がどれだけ正しくても、
ここで貴方が笑っているなら、それでいい。
貴方のいない朝なんて、正しさの押し付けにしか思えないから。
叶わないと知っている夢ほど、
甘くて、優しくて、残酷だ。
溺れているとわかっていても、息苦しさすら愛おしい。
このまま沈んでいけたら、どれだけ楽だろう。
だからお願い。
醒めるその瞬間まででいい。
どうか、もう少しだけ——
叶わぬこの夢に、溺れさせて。
3/20/2026, 11:13:12 AM