香りを纏う。わたしの周りに、わたしの香りの空気が揺れる。爽やかさ、甘酸っぱさ、強烈さ、柔らかさ。だれかが、わたしの香りを見つけてくれる。どこかで、わたしの存在を見つけてくれる。その一瞬だけでも、わたしは誰かの中で生きている。毎日会うあの高校生に、駅員さんに、眼鏡の彼に。わたしが生きられる場所を、少しだけ、貸してほしいのです。
8/30/2023, 11:49:16 AM