SHADOW

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耳を澄ますと

 放課後になると、私はいつも通りクラスのみんなが帰ったのを確認すると、鞄から参考書や問題集、ノートを開き、下校時刻ギリギリまで勉強してから帰るという事を毎日していました。
たまに教師に早く帰れ!と怒られます。

 今日もいつものように放課後勉強をしていると、何人かのグループの笑い声が聞こえました。
耳を澄ますと、なんらかのゲームをしているみたいでした。
いつもなら皆早く帰るのに、と思いながら声がするクラスに行ってみました。行ってみると3年生のクラスでした。私はバレないように、こっそり覗いてみました。そこにはクラスの真ん中で机を寄せ合ってスマホゲームをしている男子生徒の姿がありました。男子生徒は6人の内一人は嬉しそうで、もう一人は悔しそうな顔をしていました。
これぞ青春といった感じでした。
こっそり覗いていたら後ろから「おい。なんか用か?」と言われてびっくりして、後ろを振り返る其処には兄が立っていました。私が焦っていると中にいた人たちの内1人が、「ん?誰だ其奴?」と声をかけた。
兄が私の事を紹介している内逃げようとしたが、肩をしっかり抑えらていた為逃げられなかった。
「まぁ、いいじゃん!人が増えても楽しいんだし!」と可愛い系の先輩が言いました。
私が「え?」となっていると、ふわふわ系の先輩が説明をしてくれた。
「えっとね。仲良い友人達でゲームしてたの。あ!別に成績が悪くて反抗しているわけじゃないよ。ただ今しか出来ない事しよ?って事でやってるの。もしよかったら、一緒にやらない?」
そう言ってくれるのが嬉しくて、私は二つ返事で返した。

 次の日の放課後から私は三年生の教室に行き、一緒に遊んでいるけど、いつの間にかそのグループの中にいる一人の先輩に恋した話は、また別のお話。

5/4/2024, 11:01:12 AM