ベッドに横になっているあなたをチラリと見て、ため息をついた。昨日も遅くまで帰ってこなかった。着ているシャツやスラックスに皺が寄ってしまいそうだと思った。こんなことで喧嘩するのも馬鹿馬鹿しいとは思っていた。起こそうと思って背中に手を置いて、顔を寄せるとあなたは小声で、「ありがとう」と、呟いた。寝言かもしれない、とも思った。だけど、その一言は私がさよならを言う前に、あなたを好きだと思い出すのに十分だった。
8/21/2024, 10:00:25 AM